日本の潜在成長率

「営業毎旬報告」が公表されました。

営業毎旬報告(平成27年10月10日現在)日銀

日銀の総資産は「369兆円」であり、国債は「312兆7500億円」を記録しています。

9月30日時点では「309兆5700億円」と減少していたのですが、前回から3兆円ほど増加しています。

来年、2016年12月末までには、400兆円に達している計算になります。

名目GDPの80%を超えます。

まさに異常事態が進行中ですが、来年辺りに問題が出てくる可能性が高いように思います。

安倍政権は名目成長率を上げようとしているわけですが、名目成長率を上げるためには物価と実質成長率を上げるしかありません。

名目成長率=GDPデフレーター(物価上昇率)+実質成長率

しかして物価はマイナスのデフレに逆戻りし、実質成長率もマイナスです。

第三四半期(7-9月期)の成長率も、もしマイナスとなりましたらテクニカル・リセッション(二期連続マイナス成長)であり、別の方法を考えなければならなくなります。

潜在成長率が「0.5%」の日本でどれほどの成長が見込めるというのでしょう。

潜在成長率とは資本、生産性、労働力の三つがフル活動した時、達成される仮想成長率であり、実際の成長率とも符合しており、「経済の実力」をあらわしている指標です。

今年の第一四半期(1-3月期)までの潜在成長率は「0.6%」でしたが、8月に「0.5%」に下方修正されています。

今週の指標 No.1122 内閣府

今週の指標 No.1126 内閣府

内閣府の推計する潜在成長率は、1980-1990年代の「4.4%」をピークに一貫して低下を続けています。

ソース

バブル崩壊後から一貫して低下しているのが分かります。

1991-2000年代には「1.6%」となって、3分の1に低下し、21世紀になりますと最初の10年で更にその半分の「0.8%」にまで落ちています。

凄まじい衰退ぶりです。

丁度神道が競い立ってきた1991年から一貫して潜在成長率は落ち、失われた20年となり、今も衰退を続けています。

内閣府の潜在成長率の推計は、日銀の推計よりも甘く、日銀の推計する日本の潜在成長率は「0.2%~0.3%」です。

すなわち日本は基本的にこれだけしか成長できないと見ているわけです。

公式的な言い方では「0%台前半ないし半ば程度」と表現しますが、内閣府の推計よりも低い成長率です。

ソース

0.5%」以上成長しようとすれば、財政出動をし、借金を増加させていくか、神々からのインスピレーションを増加させるしかありません。

神の権威に戦争を売るような国にインスピレーションは降りようがありません。

神々からのインスピレーションというのは、よほど自己の生命を根本から変革してきた者しか与えられません。

利益や国益を追っているようでは、まず無理です。

従って良くて長期的衰退しかありません。

安倍政権が始動した2013年の潜在成長率「0.8%」から今は「0.5%」に落ち、アベノミクスが開始された2013年4月以降は「0.7%」から「0.5%」に日本経済の実力が落ちているのが分かります。

名目成長率を上げるために物価と実質成長率を上げようとしているわけですが、実際上がったら上がったで問題が出てくると上のソースの記事では指摘しています。

悲劇は、日銀が2%インフレの目標を達成した時に起こります。

すでに何度も指摘してきた点ですが、2%インフレが実現する時点で市場が財政の持続可能性を信じていなければ、日銀が国債大量購入を止めても(→国債価格が急落する)、続けても(→超円安、インフレ加速のスパイラルに陥る)、市場の大混乱が避けられないからです(これは、日銀の黒田総裁自身が繰り返し警告しています)

コアCPI「2%」を達成した場合、日銀は金融緩和を止めますが、その時買い手のいない国債価格は急落して長期金利が急上昇する。

すなわち財政破綻です。

コアCPI「2%」を達成しても、国債の買い手がいないために日銀が買い続ければ超円安とハイパー・インフレを招いて同じく財政破綻をしていく。

市場の混乱などという話ではないでしょう。

コアCPI「2%」を達成した場合、日銀が金融緩和を止めても破綻し、続けても破綻していく。

この結論に向かって安倍政権は走っている。

「2%」を達成した時に悲劇が起こる。

インフレターゲットは間違っていたということです。

上記の記事を書かれた方は、コアCPI「2%」達成は2016年前半よりも少し遅くなると見ているようです。

ここでも2017年頃が出てきます。

すなわち財政破綻ですね。

財政破綻を避けるには緩やかなデフレしかなく、それは経済の長期的衰退を意味します。

神々からのインスピレーションが期待できない限り、緩やかなデフレしか選択肢はありません。

それ以外の方法を取っているのが安倍政権ですから当然、財政破綻の選択をしているということになります。

一生懸命、財政を破綻させようとしている政権であるということです。

つまり膨大な政府債務を抱えた日本政府は、「財政破綻」か「長期的衰退」かの二つに一つしか選択肢はないわけです。

神への信仰を無視して経済の舵取りをしているから行き詰ってそうなる。

野村證券の「中期経済見通し 2012」にはこうあります。

中期経済見通し 2012 野村證券

「供給側から計測した今後10年間の日本の潜在成長率は、既にゼロ%近くにまで低下している可能性がある。

それでも、現状では需給ギャップが大きいために、しばらくはそれよりも高めの実質成長率が続くだろう。」

「しかし、いずれは需要が供給力に接近し、潜在成長率に見合った成長を余儀なくされることになろう」

「様々な仮定の下ではあるが、2010 年代の末にも、実質成長率が長期的にマイナスの領域に突入する『マイナス成長』時代の到来を意識しなければならなくなる可能性がある。」

これは2011年12月のレポートです。

既に日銀の推計では潜在成長率は「0.2%~0.3%」であり、このレポートの指摘通り潜在成長率は「0%」近くにまで低下しています。

その後、しばらくはやや高い実質成長率が続くが、そのうち潜在成長率に見合った成長を余儀なくされる。

2010年代の末には長期的にマイナス成長が継続していく「マイナス成長時代」を意識するようになる。

日本経済研究センターでは、2020年代後半から日本の潜在成長率はマイナスとなっていくと予測しています。

中期経済予測 日本経済研究センター

潜在成長率がマイナスに転落していくとは、要は経済全体が目に見える形で縮小していくということです。

中期的にはこういった方向性に向かうことは避けられないでしょう。

向かう前に財政破綻している確率の方が高いでしょうが、財政破綻を避けられれば、こういった方向に向かうことになる。

安倍政権は名目成長率を上げるために「物価の上昇」と「実質成長率」の二つを上げようとしているわけですが、どちらも無理となれば、残された手は「裏ワザ」以外にはなく、その「裏ワザ」が来年から行使されます。

研究開発費もGDPに加算 16年新基準、3%押し上げ 日経

GDPの計算方法を変更することによって名目GDPを最大「3.1%~3.4%」かさ上げしていく。

研究開発費もGDPに加算 16年新基準、3%押し上げ

3%以上のアドバンテージをもらえるということです。

「国際基準の見直しで、これまで対象外だった民間企業の研究開発費などを加算できるようになる。

日本のGDPは、2016年の新基準採用時に最大3%以上大きくなる見込み。」

「日本は16年に新基準を適用する。」

「新基準では研究開発費は付加価値を生む『投資』と見なし、GDPに加算する。」

「内閣府によれば、研究開発費をGDPに計上すると、日本の名目GDPは3.1~3.4%押し上げられる見通し。」

「一足先に新基準を導入したオーストラリアやカナダは、研究開発費の加算でGDPを1.1~1.6%程度上方修正した。

今年7月に新基準に移行する米国では、研究開発費の加算で最大2.8%GDPが増えると見込まれている」

来年からの適用ですから、日本の名目GDPは来年から数字としては高いものが出てくるはずです。

これを「ごまかし」だの「粉飾決算と同じではないか」と言った批判もありますが、何も日本だけではありませんので、世界的にも相当悪い数字があり、これを粉飾しなければならないというのはそこまで追い込まれているということでしょう。

新三本の矢の一本である名目GDP600兆円達成というのも、これを言っていたのかもしれません。

名目GDP3%以上と言うのは、かなり大きい数字です。

来年の参院選対策に利用されるのは目に見えているように思います。

まさしく「裏ワザ」でしょう。

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コメント

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