銀行の受難

マイナス金利政策が市場に浸透し今後、銀行の収益は全体として圧迫され、地方銀行の中には潰れるか、あるいは再編されていくと予測されています。

銀行は融資が本業であり、預金者からの預金に利子をつけ、各企業に金利をつけて貸し出していく。

例えば預金者に「1%」の利子をつけたとする。

企業融資の貸付金利を「3%」とする。

銀行は預金者に「1%」の利子を支払い、企業から「3%」の金利を受け取る。

この差額の「2%」を「利ざや」と言いますが、銀行本来の収益の柱はこれです。

これが日銀の国債購入によって長期金利が低下し、市場金利も低下して、例えば貸出金利が「3%」から「2%」に低下したとする。

すると「利ざや」も差し引き「2%」から「1%」に低下していく。

銀行の収益は圧迫されていく。

銀行は収益確保のために預金者への利子を「1%」から「0.5%」に下げて、この「利ざや」を何とか確保せんとする。

すると貸出金利の「2%」から預金者への利子「0.5%」を差し引いた「1.5%」が利ざやとなり、「1%」の利ざやが「1.5%」に増える。

これが日本の預金者の預金の利子が異常に低い理由ですが、更に日銀はマイナス金利政策を導入しました。

これによって政策発表前の長期金利「0.22%」から「0.065%」へと急落しています。

住宅ローン金利や企業への貸し出し金利は、この長期金利を指標に決まっておりますので、今後企業への貸し出し金利等は急低下していくことが予測できます。

先ほどの例で言えば一気に貸出金利「2%」が「0.7%」に急低下していくということであり、預金者の利子「0.5%」との利ザヤは、わずか「0.2%」となり、「1.5%」の利ザヤが異常に減少していくことになります。

するとまた銀行は収益確保のために預金者の利子「0.5%」を、更に下げざるを得なくなる。

例えば預金者の利子を「0.5%」から「0.2%」に下げたとしますと、貸出金利「0.7%」との利ザヤは「0.5%」となります。

これが銀行の収益となりますが今後、銀行は預金者への利子を下げていくことが予想できます。

預金者の利子をマイナスにしますと銀行の窓口に預金者が殺到し、取り付け騒ぎとなって、銀行が破綻してしまいますからないでしょうが、かなりギリギリまで利子は下げられていくことになるはずです。

こうしてマイナス金利政策は、銀行の収益を圧迫していくことになる。

今の日銀のマネタリーベースはこれです。

ソース : 2016年1月のマネタリーベース

平均残高は「355兆1030億円」であり、月末残高は「358兆7612億円」です。

紙幣は平均残高が「95兆6932億円」であり、月末残高は「94兆7904億円」、貨幣は平均残高「4兆6849億円」、月末残高は「4兆6772億円」です。

日銀の当座預金残高は平均残高が「254兆7249億円」であり、月末残高が「259兆2936億円」とあります。

この当座預金の超過準備に来月の16日から「マイナス0.1%」の付利が付きます。

今までの当座預金には「マイナス0.1%」の付利は課せられず、来月16日以降分につけられると言われています。

今までの「250兆円」の超過準備分「220兆円」ほどでしょうか、この「0.1%」と言えば「2200億円」ほどが棚ぼたしきに銀行収益になっていたわけですが、これが来月以降分はなくなります。

年間「80兆円」の「マイナス0.1%」と言えば「800億円」ですが、銀行が日銀に手数料として、あるいはペナルティとも言われておりますけれども、支払わなければならない額であり、これは年を追うごとに増加していきます。

これも銀行収益を圧迫する要因です。

「マイナス0.1%」の付利を課せば、銀行は日銀に国債を売らなくなるのではないかと思われるわけですが、日銀は「0.1%分」の損失を上回る額を提示するために、国債を今後も銀行は日銀に売却していくと言っています。

長期金利(10年国債)は、マイナスになる可能性が高い。

2年債は以前から既にマイナス金利だったわけですが、1月29日の「マイナス金利政策(NIRP)」発表後、5年債も一気にマイナス金利に入っています。

長期金利 日本相互証券

いずれ10年債もマイナスに低下していくのではないか。

買入れの平均残存期間は、本年中は7年~10年程度、来年(2016年)からは7年~12年程度とする

平均残存期間を延長するというのは、要は短期債や10年国債が足りなくなってきたから、超長期債を発行購入していくということでしょう。

そのうち20年債や30年債もマイナス金利になってくるのではないか。

徹底的に買い支えていく。

やめれば長期金利が急上昇して財政破綻確定ですから、ねずみ講のように買い支えていくしかない。

ポートフォリオ・リバランス実現のために、企業融資を増やせというのですが、資金需要のない国内では運用しようがなく、またゼロ金利下でもできなかったことができるとも思えない。

貸出金利が低下し、利ザヤが減少していく環境では、融資を増加させるというよりも、むしろ「貸し剥がし」が横行していくかもしれない。

破綻懸念先や要注意先に分類されている企業がターゲットになるかもしれない。

棚ぼた式の安定した収益源が見込めない限り、銀行は不良債権に敏感になるはずです。

どこの企業でも不採算部門や不稼働部門は整理しようとするものです。

すると貸出を増やしたい日銀の思惑とは逆に作用します。

融資での収益が低下していき、見込めない状況で融資を増やせと言っている。

みずから金融緩和と称し、国債購入を通して長期金利を急低下させ、貸出金利をも低下させることによって銀行の「利ざや」を縮小させるようなことをしながら、融資を増やせと言っているわけです。

住宅ローンを手掛ける地方の銀行等は打撃となってくるのではないか。

おかげで株高にも拘わらず、銀行株だけは軒並み、異常に売られています。

銀行株

10%以上の二ケタ台の下落がずらりと並んでいます。

新生銀行などは25%も売られています。

国債がマイナス金利となりますと、安全資産である日本国債を銀行は買えなくなります。

それでも買えば長期金利が低下し、貸出金利も低下して利ざやが縮小するというアンビバレンツに陥る。

融資もできず、国債も買えないとなりますと、消去法で銀行は外国債、ドイツ国債やアメリカ国債を購入していくのではないか。

するとドル買い円売りの円安政策となり、それが日銀の意図かもしれません。

中央銀行は大っぴらに為替操作はできませんから、公には言えないでしょうが、本音は円安政策ではないのかと思います。

日銀もマイナス金利で円安を助長し、銀行も恐らく外国の債券を購入し、資金流出を招くわけですが、日銀と銀行は対立しているように見えながら共に「円安行動」で一致しています。

やはり円安株高を演出したいのではないか。

しかして「マイナス金利政策」は、たった2日でその効果が剥落しています。

あの不気味なバルチック海運指数も、史上最安値をしつこく更新しています。

バルチック海運指数 ブルームバーグ

310ポイント」を付けています。

「300ポイント」割れまで、あと「10ポイント」しかありません。

一体、どこまで下げるのでしょう。

見当もつきません。

ただ不気味です。

あり得ないと思いますが、世界の貿易が止まっているのではないかと感じさせる数値です。

来たるべきスーパーストームの予兆でしょうか。

もしそうならば、次の危機が最後の危機となる。

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コメント

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