Creator's Room

エアバッグ問題で揺れるタカタですが、2月10日決算で「1118億2700万円」の特別損失を計上しています。

7ページです。

ソース

4ページには「継続企業の前提に関する重要事象等（ゴーイングコンサーンの注記）」も記載されています。

現在新たな出資者(スポンサー)を選定中であり、当社グループ再建計画に関しては、自動車メーカーや取引金融機関などのステークホルダーとの協議を行いながら策定している途上であるため、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。

今回の決算では、去年の12月末時点で子会社売却等により現預金「836億円」と、当面の資金繰りは問題なさそうですが、再建が長引けば長引くほど経営危機が深刻化しそうな決算でした。

決算はこれです。

経常利益は「370億5200万の黒字」ですが、特別損失のため結局は「671億2500万円の赤字」となっています。

また今年3月期の見通しは、「200億円の黒字」予想から「640億円の赤字」に下方修正されています。

当面の資金繰りに問題はないとしても、自己資本の減少が異常です。

画像にもありますが、去年の3月末に「1218億300万円」あった自己資本が、たった1年で「449億1600万円」に激減しています。

減少率は「63%」です。

わずか1年で自己資本が「63%」も減少している。

自己資本比率は去年の3月期では「27.5%」だったものが「9.8%」に急低下し、10%を割っています。

ソース

2014年3月　自己資本比率　39.3%

2015年3月　自己資本比率　31.0%

2016年3月　自己資本比率　27.5%

2016年12月　自己資本比率　9.8%

この1年で自己資本が激減しているのが分かります。

最終損益も右肩下がりです。

赤字幅が拡大しています。

タカタ、最終赤字６７１億円　経営再建を託すスポンサー選定も難航　zakzak

エアバッグのリコール（回収・無償修理）問題に揺れるタカタの経営がいよいよピンチだ。

一方でタカタが経営再建を託すスポンサーの選定は、再建手法をめぐって難航しており、時間がかかれば一段と経営が悪化しかねない。

今回の決算を受けタカタは２９年３月期の最終損益見通しも下方修正。

昨年１１月時点の２００億円の黒字予想から一転、６４０億円の赤字に見直したことで、自力での自己資本の改善はさらに見込みにくくなった。

費用の増大懸念は膨らむばかりだ。

タカタ製エアバッグをめぐるリコール費用は世界全体で１兆円規模に上る見込み。

現在はリコール費用の大部分を自動車メーカーが肩代わりしているが、一斉に費用の支払いを求められれば、負債が資産を上回る債務超過に陥りかねない。

アメリカ司法省との和解金10億ドルのうちタカタが支払うのは、1億5000万ドルのみであり、残りの8億5000万ドルは、タカタのスポンサーが支払います。

とてもではないが、1兆円規模のリコール費用に耐えられる体力はない。

そのスポンサーの選定でもめており、推薦されたスポンサーは中国企業傘下のKSS（キー・セーフティー・システムズ）です。

再建手法をめぐってはＫＳＳとタカタ経営陣の間に大きな溝がある。

ＫＳＳは、再建手続きに裁判所が関与する「法的整理」を求め、自動車メーカーも同調する。

（タカタは）当事者間で再建策を協議する「私的整理」を主張。

タカタが膠着（こうちゃく）状態のまま調整を先延ばしし、再建計画の策定がさらに遅れれば、財務基盤が一段と悪化し、経営がさらに追い詰められかねない状況だ。

このままスポンサーとの対立が解消されませんとタカタの財務は悪化していきます。

今年末には100億円の社債償還が待ち受けています。

結局はタカタが法的整理案をのむしかないと思われますが、これは要は倒産です。

人を殺してしまい、1兆円のリコール費用に耐える体力のないタカタに選択肢はないように見えます。

すると結局、また中国企業に乗っ取られることになる。

東芝の半導体企業への出資をキャノンが見送りましたけれども、支配権のある過半数の株式売却を考えているならば、再びキャノンも参戦してくるかもしれません。

この東芝の半導体事業にも、全社的規模でシャープを買収したホンハイが参戦しています。

力関係が、ほんと変わったんだなと思います。

タカタが駄々をこねればこねるほど財務の悪化は進みます。

東芝もタカタもここ1、2年が正念場なのでしょう。