経済

日銀の金融政策は、ほぼ「据え置き」

アメリカは7月の利上げを見送りました。

米、追加利上げ見送り 声明で「短期リスク弱まった」 日経

米連邦準備理事会(FRB)は27日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で金融政策の現状維持を決め、追加利上げを見送った。

会合後の声明で「短期的なリスクは弱まってきた」と表明。

秋以降の利上げ再開に意欲をみせた。

海外市場の動向も見極めながら、引き締め時期を探る考えだ。

短期金利の指標であるフェデラルファンド金利(FF金利)の誘導目標を、年0.25~0.50%で据え置いた。

6月の雇用統計は非常に良かったわけですが、利上げは見送られました。

雇用統計後にFRBが出す、より詳細な労働市場を分析した労働市場情勢指数(LMCI)は、6月「マイナス1.9」でした。

ソース

「0」以上は改善、「0」以下ならば悪化ですから、「マイナス1.9」という数字は、悪化しているということです。

今年に入ってプラスになったことがありません。

1月 マイナス1.5

2月 マイナス2.7

3月 マイナス3.3

4月 マイナス3.2

5月 マイナス3.6

6月 マイナス1.9

統計も多少粉飾されているようですから、差し引いて捉えています。

日本も統計が色々と出ておりますが、良いのは実質賃金だけであり、今年はほとんどプラスであり、マイナスは一つもありません。

家計調査も出ましたが、消費支出は「マイナス2.2%」でした。

ソース

エンゲル係数は、「26.75%」であり、25%を上回っています。

今年前半までのエンゲル係数をグラフにしてみました。

作成 : Creator’s Room

今年前半は「25%」を下回っている月が3か月ほどありますが、よくグラフを見てみますと、1月~6月までのどの月でも1年前と2年前の同じ月と比較しますと、今年はすべて上回っています。

これは生活程度が下がっているということを意味していますが、徐々にエンゲル係数が上昇しているということです。

アメリカのFOMCを受けて日銀の金融政策決定会合の政策も出ましたが結局、日銀は大した追加の緩和を打てませんでした。

ETF(上場投資信託)を3.3兆円から6兆円に増額しただけでした。

予測通りということでしょうが、半年ぶりの追加の緩和でしたが、やはりETFの増額しかできなかったようです。

日銀:ETF購入6兆円に拡大、国債購入やマイナス金利据え置き ブルームバーグ

J-Reit(不動産投資信託)も国債の買い入れ枠もマイナス金利幅もすべて「据え置き」でした。

マイナス金利の金利幅の拡大は、金融機関の反発を招くためにできず、国債の80兆円の買い入れ枠の増額も死期を早めるためにできない。

ヘリコプターマネーもできなければ、消去法でETFかJ-Reitの増額しか日銀はできない。

量・質・金利の三次元緩和は字句だけの話であり、実際の選択肢はほとんどない。

金融政策の限界としか見えず、今年中にヘリコプターマネー政策に踏み切ると思っています。

現状維持とほとんど変わらない、追加の緩和は金融政策の限界をあらわしていると思う。

ところが黒田総裁は強がっています。

「限界来ていない」

ブルームバーグのこの記事の部分を見て下さい。

あえて大文字で書かれています。

どう見ても強がりです。

ノックアウト寸前のボクサーが、膝をがくがくさせながら、

全然、きいてねえぜ

というのと同じです。

同時に量的緩和やマイナス金利が「限界に来たことは全くない」と指摘。

マイナス金利の効果は大きく今後より顕著になるとの見方を示し、「まだまだ深掘りしていく余地はあり得る」と語った。

政策検証に当たって量的緩和も「非常に重要」で、「軽視するようになるとは思わない」と述べた。

ETFに関しても必要があれば買い入れ増額も検討すると語った。

2017年度中の物価上昇率2%達成の時期は、また後ずれするかと見られていましたが、据え置きました。

その消費者物価指数も出ました。

ソース

日銀がターゲットとし、約束しているコアCPIは6月「マイナス0.5%」でした。

デフレの深化です。

去年と今年前半までのコアCPIをグラフにしてみました。

作成 : Creator’s Room

まさにつるべ落としです。

1年前の同じ月と比べると「0.6%」も物価が下落しています。

底が抜けたようなグラフになりました。

では日銀が重視している日銀版新型コアは、どうでしょう。

6月の新型コアは「0.8%」と前月と同じでした。

ソース

しかしてグラフにしてみると、少し事情が異なってきます。

昨年の夏からいきなり公表し始めた日銀版新型コアですが、こうなっています。

作成 : Creator’s Room

去年12月の「1.3%」をピークに物価の基調は下落傾向にあることが分かります。

もっと大胆な金融緩和が必要だったはずですが、できたのはETFの増額だけでした。

株はETFの増額で92円ほど上昇して引けていますが、失望感から市場では円が買われ、一時102円台まで急騰しました。

今は103円台に戻しています。

覚醒剤でラリっている市場には、あまり効果はなかったようです。

より強い覚醒剤を要求していたわけです。

しかして今の日銀には、その要求に答える力はありません。

バビロンの大淫婦」とは、よく言ったものです。

姦淫のぶどう酒を飲ませているわけですね。

中央銀行が作り上げている経済的ニルヴァーナは、悟りのニルヴァーナとは対極に位置するものです。

かつて「神に酔える人」スピノザという哲学者がおりましたけれども、人類は「神に酔える人」ではなく、「富に酔える人」となっています。

薬のバイヤーと化した中央銀行の行き着く先には、世界経済の廃人の道へとつながっているのでしょう。

神の心を求めれば、神からその心が与えられ、富を求めれば、中央銀行からその富が与えられる。

神の心を求めれば天地は一体化し、神の体(富)を求めれば、天地は分離していく。

神の心の「天」と神の体の「地」は、物質によって分かれていく。

神の心の天地一体」 対 「神の体の天地分離」がハルマゲドンです。

これを善悪の最終決戦という。

関連記事

  1. 第二のブラックマンデー?

  2. 衰えるオイル・ダラー

  3. 国内からも出てきた衰退論

  4. 突然変異によるワクチンの無力化

  5. 東芝、今週中に3月期決算を提出

  6. カルパチア号

  7. 怖がるアメリカ大統領

  8. 緊急事態宣言の要請

コメント

  1. Amazing things here. I am very satisfied to see your post.

    Thanks a lot and I’m having a look ahead to touch you.
    Will you kindly drop me a e-mail?

  2. Hey there! I could have sworn I’ve been to
    this website before but after browsing through some of the post I realized it’s new
    to me. Anyhow, I’m definitely delighted I found it and
    I’ll be book-marking and checking back frequently!

    • g
    • 2019年 5月 13日 7:56pm

    An impressive share! I have just forwarded this onto a coworker who was conducting a little
    homework on this. And he actually ordered me dinner simply
    because I discovered it for him… lol. So allow me to reword this….
    Thanks for the meal!! But yeah, thanx for spending some time
    to discuss this topic here on your web site.

  3. I’m typically to blogging and i actually admire your content. The article has actually peaks my interest. I’m going to bookmark your website and keep checking for new information.

  1. この記事へのトラックバックはありません。

カレンダー

2024年3月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

アーカイブ

最近の記事

  1. Creator's Report

    幸福の正体
  2. 単体 C

    幸福の正体 単C
  3. Truth

    戒律 9
  4. 単体 T

    戒律 9 単T

最近の記事

  1. 幸福の正体

    2024.03.28

  2. 戒律 9

    2024.03.27

  3. 戒律 9 単T

    2024.03.27