ホッケースティック曲線

カリフォルニアの山火事ですが、新たにランチ・ファイアが発生していますが、マリア・ファイアの消化の方におわれているようです。

アンドリュー・ジョンソン、ビル・クリントン・リチャード・ニクソンに次いで4番目に弾劾されそうなトランプ大統領ですが、カリフォルニア州ニューソム知事に一蹴されています。

米大統領、カリフォルニア山火事への援助控えると警告 知事の批判受け AFP

トランプ氏はギャビン・ニューソム知事(民主党)の「ずさんな森林管理」を非難。

ツイッターへの投稿で、毎年カリフォルニア州で火災が起きるたびに、同知事は連邦政府に助けを求めて同じことを繰り返していると指摘し、

「知事、しっかりしてくれ」と非難した。

これを受けてニューソム知事は、

「あなたは気候変動を信じていない。この会話からは外れてもらう」

と一蹴した。

トランプ大統領は温暖化懐疑論者であり、パリ協定からも離脱した大統領です。

気候変動対策にお金をかけるのは、無駄な金だと思っている。

世界のリーダーが困ったものです。

温暖化懐疑論はキリスト教原理主義に支えられており、確かトランプ大統領やペンス副大統領、あるいはポンペオ氏も福音派だったはずです。

温暖化懐疑論はキリスト教カルトが支えているのです。

日本では同じく神道カルトが支えています。

温暖化懐疑論とは、地球は温暖化していない、気候変動は人為的なものではないと主張している人たちですが、欧米では既に温暖化懐疑論は、続々と撤退中であり、日本でも池田信夫氏などが意見を変えたりしています。

日本の温暖化懐疑論者も、そのうち変わるでしょう。

温暖化懐疑論とは、宗教で言えばカルトと同じ思い込みとドグマ、人為的影響はなく、ある特定の人の陰謀であるとする妄想の中に生きている人達であり、あくまで温暖化はでっち上げだと主張します。

そう言えばトランプ支持者もカルト信者とよく似ています。

世界の平均気温です。

ソース

これは北半球です。

これは南半球です。

すべて気温は上昇しているのに「していない」と頑強に主張します。

南京大虐殺はなかった、従軍慰安婦もなかったと執拗に主張する人たちと同じ系統の方々であり、地球温暖化もでっち上げだとねつ造を試みます。

ただ1998年から2012年までの15年間は、温暖化率が低下しており、この期間は温度上昇が横ばいの気候停滞(ハイエイタス)と呼ばれており、このハイエイタスをもって温暖化していない、気温は上昇していないと言われる方もおりますので、この期間に書かれた記事の中で世界の平均気温は上がっていないと主張している記事があるとすれば、それは眉唾です。

2014年から再び急激に気温は上昇を開始し、温暖化が進んでいます。

研究報告:「温暖化は停滞」に反論 ナショジオ

新たな調査結果は、2013年のIPCCの報告書を否定するものだ。

IPCCは、1998年から2012年にかけての地球の温度上昇率は、1951年から2012年にかけての上昇率と比較して3分の1から2分の1も小さくなったと指摘し、これを「ハイエイタス(地球温暖化の停滞)」と呼んだ。

ハイエイタスの原因は、特定されていないようですが、深層海流に熱が吸収されたために気温がこの期間は上がらなかったという説がよく見られます。

それは飽和しますと、いずれ熱が表層海流にまで反映されてきますので、そのうち気温は上昇を始めると予測されていました。

事実、世界の平均気温は2014年から上昇しています。

日本における温暖化懐疑論者の淵源は、どうもアメリカの温暖化懐疑論者のようであり、せっせとアメリカの懐疑派の説を輸入して主張している方が多いようです。

アメリカにはエネルギー企業から献金を受けて、温暖化は化石燃料が原因ではないだの温暖化はしていないだの気温が上昇してもそれは太陽活動のせいだのすり替える方がいるのです。

気候変動懐疑論者のスーン氏、エネルギー企業から100万ドル以上受領 ロイター

米国の気候変動懐疑論者であるウィリー・スーン氏が近年、大手エネルギー企業や石油業界団体から100万ドル(約8000万円)を超える資金を受け取っていたと伝えた。

同氏は、石炭から排出される水銀の健康リスクも軽視する見解を示している。

グリーンピースによれば、2000年代初め以降、スーン氏はエネルギー企業からより多くの資金を受け取るようになった。

クライメート・ゲート事件でもデータのねつ造や改ざんはありませんでしたが、それをデータを都合の良いようにねつ造し、歪曲したと疑うには、疑うだけの根拠が、もちろんあったわけです。

10年も前の話であり、既に結論は出ておりますので、書くのも憚れますが、私の記憶によれば、不正確な点もあるかもしれませんが、確かホッケースティック曲線が問題の発端だったと思います。

これです。

ソース

ソースの19ページです。

これは2001年に公表された気候変動に関する政府間パネル(IPCC) 第三次評価報告書 第一作業部会報告書であり、このマイケル・マン氏が出した図が問題視されました。

青い線は、年輪や氷床、あるいはサンゴから復元した過去の気温の変動であり、赤い線は実際、温度計で計られた実測値です。

赤い線を見ますと最近の気温が急上昇しています。

この形がホッケースティックに似ていることから、この図はホッケースティック曲線と呼ばれています。

灰色は変動幅です。

この図が古気候学者から反論を受け、過去の気温はもっと変動幅が大きかったはずだと異論が続出しました。

これは最近、急激に気温が上昇したように見せかけた図ではないのかと懐疑派から疑われたわけです。

IPCCの報告書は、みな複数の専門家の査読を受けておりますのでいい加減な図は載せないはずなのです。

ただこの図に関してクライメート・ゲート事件では、疑惑が噴出し、ハッキングという犯罪によってこの図を作成した研究者のメールが流出しました。

問題になったのはフィル・ジョーンズ氏のメールですが、そこにはこう書かれていました。

Dear Ray, Mike and Malcolm,
…I’ve just completed Mike’s Nature trick of adding in the real temps to each series for the last 20 years (ie from 1981 onwards) and from 1961 for Keith’s to hide the decline.
Cheers

「先程マイクのネイチャートリック、すなわち、下落傾向を隠すためにキースのシリーズは1961年から、他のシリーズは1981年から、実際の気温を付け加える作業を完了しました。」ソース

このメールで問題になった箇所は2点あり、一つは「Nature trick(ネイチャー・トリック)」、二つ目は「hide the decline(下落を隠した)」です。

温暖化懐疑派は、このメールを世界の平均気温の下落傾向を恣意的にトリックを使って隠したと誤読しました。

実に悪意のあるとらえ方ですが、もちろんそういった意味ではなく、この「decline(下落)」は、気温の下落ではなく、年輪のデータから復元された気温が実測値と合わないためにデータとしては信頼性がないという意味での「decline(下落)」です。

このメールに対して最も多い誤認は、「下落」という言葉です。

これは温度の「下落」ではなく、1960年以降の年輪データの信頼性の下落です。

年輪の復元データよりも、実際に温度計で測った気温の方が正確ですから、信頼性のない年輪のデータを「trick(トリック)」を使って隠したわけです。

この「trick(トリック)」もごまかしたという意味ではなく、「コツ・技術」的に隠したのです。

論文でオープンに出されているテクニックを使って復元された気温と実測値とを信頼性のある図としてつなぎ合わせたのです。

実際に測定された温度を追加しただけなのです。

これが2001年に出したマイケル・マン氏のホッケースティック曲線です。

データをねつ造したわけでも歪曲したわけでもないのです。

あえて言えば出典の誤記があったぐらいであり、それも修正していますが、データのねつ造や歪曲と言われるほどのものではなく、責められるとすれば、せいぜい温暖化懐疑派に対して「間抜けども」という言葉の悪さぐらいであり、しかしてこれはどこの分野でも見られる程度のことでした。

ガーディアンもこの点を10年前に既に報道しています。

The five key leaked emails from UEA’s Climatic Research Unit ガーディアン

ここでは世界の平均気温の低下を隠したわけではなく、実際の気温を追加しただけであり、隠されたものは唯一現実と一致しない年輪のデータであると言っています。

日付を見てください。

これは2010年の記事であり、9年以上前の記事なのです。

今では当のイギリスでもクライメート・ゲート事件は問題にもされていません。

温暖化懐疑論者が、「trick(トリック)」と「hide the decline(下落を隠した)」の訳を歪曲して伝えたのです。

そして更に温暖化懐疑論者のねつ造と歪曲は続きます。

このマイケル・マンのホッケースティック曲線は、温暖化が急激に進んでいると見せかけた信頼性のない図であり、データもねつ造しているために、マンの図は、2007年に公表されたIPCCの第四次評価報告書からは削除され、消滅したと、またもねつ造します。

中世は今ぐらい熱かった:IPCCの最新の知見 キャノングローバル戦略研究所

ホッケースティックを巡っては多くの論争があり、IPCCの第4次評価報告書(2007年)では、データに関する誤差や統計的な推計方法等を巡っての科学的な論争が紹介された上で、図としては、ホッケースティックは消滅した(図2)。

このページが滑稽なのは、ホッケースティック曲線が消滅したと言いながら、その図を掲載していることです。

IPCCの第4次評価報告書(2007年)に掲載された図はこれです。

ソース

38ページです。

この左上に「MBH1999」とありますが、これはマイケル・マン氏のホッケースティック曲線です。

ソース P469

これが2007年の第四次評価報告書から削除されたと主張しているわけですが、もちろんご覧の通り削除はされていません。

上記のキャノングローバル戦略研究所のページの真ん中辺りに同じ図が掲載されています。

「ホッケースティック曲線」批判を主眼に据えた懐疑論 It’s the Sustainability, stupid!

懐疑論者が何故か目の敵にする「ホッケースティック曲線」は第四次評価報告書(以下AR4)から削除されてなどいません。

また筆者が自説の補強の為に紹介した再現気候の研究もAR4には載っているのですが、あたかもそれらをIPCCが認識していないかのように書いているし、また研究の選び方もかなり恣意的です。

ホッケースティック曲線に関しては、一つには世界の平均気温の下落傾向を隠したと意図的に歪曲して伝えた者がいること、次にその歪曲性から2007年のIPCCの第四次評価報告書から削除されていると嘘をついていること、あえて第三点を挙げればその歪曲と嘘を日本に伝えることによって、気候変動対策を遅らせようとする悪意があること、この三点が懐疑論の問題点でしょうね。

マイケル・マン氏らに関してはこの方が分かりやすくまとめています。

よく勉強されている方ですね。

クライメートゲートの悪意

大体この方の見解が、クライメート・ゲート事件に対する共通の世界的認識と言っていいでしょうね。

当事者であるマイケル・マン氏の主張です。

地球温暖化論争 標的にされたホッケースティック曲線

否定論者は、ジョーンズ所長が著者らに宛てたメールの中に「(気温の)下降を隠す」、「トリック」という言葉があるのを発見、彼らによる陰謀の証拠だと喧伝(けんでん)した。

主要メディアはこれに乗って温暖化懐疑論を一挙に広め、IPCCの権威を貶(おとし)め、著者自身も身の危険を感じるほどの脅迫を受けた。

ところが結局、本件に関する全ての公的な調査結果で、関係者に不正はなく、イーストアングリア大の分析結果も正しかったことが判明した。

対照的に、著者を攻撃したウェグマン報告書は盗用、剽窃(ひょうせつ)、統計の恣意(しい)的操作が明るみに出て自壊、潮目は変わった。

本書は、暴風雨を潜(くぐ)り抜けた著者による、新たな闘いへの決意表明で結ばれる。

これがホッケースティック曲線の問題における最終的帰結です。

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