追悼 平井和正 ご冥福をお祈りいたします。

平井和正さんが死去 「幻魔大戦」「ウルフガイ」「8マン」など手がけたSF作家

「幻魔大戦」「ウルフガイ」などの作品で知られるベテランSF作家の平井和正さんが1月17日、76歳で死去した。

平井さんの公式サイトで、以下のように発表された。

平井和正 儀、かねてより病気療養中のところ、平成27年1月17日、76歳を以て、永眠いたしました。

長年にわたって皆様より賜りましたご厚情に心より感謝致します。

::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
非常にショッキングなニュースが飛び込んできました。

平井さんがお亡くなりになりました。

まさに「巨星、墜つ」とはこのことで、一番好きな作家の一人でした。

中学・高校と平井さんの作品は、ほとんど全部読んでいました。

サイボーグ・ブルース、超革命的中学生集団、死霊狩り(ゾンビハンター)3部作、赤ん暴君、美女の青い影、アンドロイドお雪、少年、犬神明とアダルト犬神明のウルフガイシリーズ、幻魔大戦、新幻魔大戦、真幻魔大戦、悪霊の女王、エスパーお蘭、悪徳学園等々、言えば切りがありませんが、読んでないのは最近の平井さんの作品とメガロポリスの虎ぐらいです。

一番好きだった平井さんの作品は、ゾンビハンターでして、何回も繰り返し読んでいました。

あの後、田村俊夫はどうなったのかが、気になってマンガ版のデスハンターも買いました。

幻魔大戦でもそうでしたが、やはり平井作品は小説でないと楽しめません。

アニメや漫画では、平井さんの良さは理解できないのではないでしょうか。

人類ダメ小説を書き続けながら、そのダメな人類と愛なき社会に一頭の狼を放ったウルフガイシリーズ、星は闇夜でのみ輝くという言葉が好きだといっていた平井和正。

この方が秀逸なのは、大衆文学でも純文学でも決して書けない分野を独自で開拓した点にあると思います。

SFと他の文学とを画然と分けるものは科学技術の発達である。

そして科学技術が、このまま発達していけばどうなるのか?

科学技術の発達は、環境に過大な負荷を与え、場合によっては人類の生存すら脅かしかねない。

科学の発達を見て一般はバラ色の未来を考えるものだが、日本のSFはバラ色の未来からは始まっていない。

非常に深刻なペシミズムとデカダンスから始まっている。

しかしてこれは日本SF小説の父・福島正実さんの功績である。

平井さんは、かつてこう言ってました。

SFだけなのだ、全く新たな視点を読者に与え、考えられない角度から自由に物語を書ける分野というのはSFしかないのだと。

例えば自分の小説で言えば主人公の男が、朝起きると女になっていた。

しかして今まで男だった者が、いきなり女になるということは後々、色々と困ったことが起きるわけで・・・しかして今まで男の視点で人間や世界を見ていたものが、強制的に女の視点から人間や世界を見ていかざるを得なくなる。

こんな朝、起きると男が女になっていたなんて純文学でも大衆文学でも書けないのだ、SFという分野だけなのだと。

その極北の小説が幻魔大戦でしょう。

私も角川版『幻魔大戦』20巻、1冊、1冊を20回以上読みました。

20×20で計400回以上は読んでいる計算になります。

東丈のセリフを暗記するほど読み込んでいました。

同じ本を何十回も読んだのは、善の研究と平井さんの本ぐらいです。

もし現代に救世主がいたとしたら、人心をどう導いていくのかという思考実験を幻魔大戦で行ったのが平井さんです。

SFにおいて「救世主小説」という分野を開拓したのが巨匠・平井和正です。

霊的に未熟な作家では、とても書ける小説ではありません。

霊的に優秀な方だったからこそ、あの小説が書けた。

「全てはエクササイズなのだ」

「組織が大きくなることは腐ることなのだ」

「自覚こそが重要」

「超能力で人は救えないのだ。それはスーパーマン信仰に過ぎない。

スーパーマンはそれは強いかもしれない。

列車を持ちあげ、大空を飛び、山脈を崩すことができる。

しかしてどんな巨大な力を持っているスーパーマンであっても、人ひとりの心すら自由にできず、救えないのだ。」

東三千子にも言わせていました。

「人が人を救うなんてことが、本当にできるのかしら?

溺れている人を助けるとかお金に困っている人にお金を与えるとかいう意味ではなく、人の心を人が救うなんてことが、できるのかしら。

人はみな自分で自分を救うことしかできないんじゃないかしら」

実際は自分の内奥に存在する神ご自身が自分を救うわけですから、人間は実際、自分で自分を救うこともできない存在と言えます。

SFで超能力者とその能力を縦横無尽に描きながら、その当の超能力には否定的な人だったと思う。

「かつてモーゼが、ファラオの前で奇跡を見せた。

確かにその時、その瞬間には、人はみな驚く。

しかしてモーゼの時もそうだったが、しばらく時間が経つと人は必ずこういうのだ。

『あれは何かネタがあったのではないか?』

『我々は騙されたのではないか』

『何か仕掛けがあったに違いない』と。

超能力で人は救えないのだ。

むしろ人はその巨大すぎる力に嫉妬したり、反発したり、あるいは自らも持とうとして悪魔に魂を売る者すらでてくるものなのだ」

妖刀や魔剣のようにその力に魅せられる。

権力の力に魅せられ、富の力に魅せられ、国益に魅せられ、褒めちぎられるその快楽に魅せられて、その虜となって、悪魔に魂を売ることとなる。

超能力も同じです。

この能力ほど自分を特別な存在と思わせ、エリート意識の狭い殻に人の心を閉じ込め、同胞を差別し、上下感覚を心に植えつける能力はないかもしれません。

人は権力の快楽、富の快楽、国益の快楽、自分を特殊な存在と思わせる超能力、その力に魅せられた時、自己の魂を悪魔に売り渡すこととなる。

そして事実、売った登場人物として東丈の親友・江田四郎を描きました。

初めは超能力でも宇宙人でも、

自分の目でみれば信ずるよ

と言っていた江田四郎に対して、ならば見せてやろう、と言ってPK(サイ・カッパ)で江田四郎を重力から切り離してみる。

自分の目でしかと超能力を見たわけです。

そして信じたか?

信ずるどころか特別な力を有している者、その超能力者のエリート主義などは認めないといって反発し、最後には自らも超能力を得んとして悪魔(幻魔)に魂を売った。

超能力や奇跡で人は救えないのだ。

だから東丈に「自覚しろ」とくどいほど言わせた。

真理を自覚しろ、善を善として、悪を悪として「自覚しろ」と。

これは仏教でいう「悟り」と同義だと思われますが、平井さんは宗教家ではなく、エンタ―テイナーを自称する小説家ですから悟りとは言わず、「自覚せよ」と言った。

密教でいわれる「大魔王即大如来」という言葉も、もともとは平井さんから教えて頂いた言葉です。

平井さんの解釈は、『新幻魔大戦』で表現されているように大如来になるためには、大魔王の経験を積む必要があるという解釈でした。

必ずしもそうではありませんが、平井さんはそう解釈した。

闇夜の中でしか星は輝かない。

救世主を東丈とし、その過去世を由井正雪とし、魔人・正雪として描きました。

救世主たる者が、その過去世を見てみると「魔王」として君臨していた。

だからあまり輪廻転生や過去世に踏み込もうとしなかった。

これも全て真の大如来となるためには、大魔王の経験を積む必要があるのだという平井さんの解釈ゆえでした。

GLAの高橋佳子女史の「真創世記」3部作を無料でテープから原稿化し、校正・リライトして読みやすく、面白い本として出版し、ベストセラー化した平井和正。

みずからは一銭の印税も受け取らず、ボランティアに徹し、みずからを俺はマントヒヒだと自称していた平井和正さん。

心の底よりご冥福をお祈り申し上げます。

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