TPP vs RCEP(アールセップ)

どうしても意味のない議論をしているようにしか見えないわけですが、今週月曜日、12月5日の参議院です。

山本太郎 「希望の会(自由・社民)」 : 参議院

安倍総理は「TPPは、アメリカ抜きでは意味がない」と述べた、まさにその直後、トランプ次期大統領は「TPPからは離脱する」と明言し、笑えないコントになってしまった。

TPPはゲームセット、完全に詰んだということがはっきりしました。

それでも総理はアメリカと粘り強く交渉を続けると言われました。

日本の思惑は、TPPの新バージョンであるアメリカ抜きの新TPPを模索しているようです。

GDPの総合計85%を占める6か国以上の批准という条件を根本から削除、修正してまったく別のTPPを作ろうともくろんでいるようです。

アメリカがTPPに戻ってこないことは、薄々日本側も理解しているのでしょう。

どうしてもアジア太平洋地域の通商協定の主導権を中国に握られたくないようです。

基本的にはこの記事で書かれてあることに近いです。

記事の表題だけを並べても笑えます。

TPP交渉は漂流しない、8月に合意する 2015年8月18日              ↓

異常な米大統領選とTPPに漂う暗雲 TPPのアメリカ議会での承認が怪しくなっている 2016年6月13日

愚かなアメリカが沈めるTPP 2016年9月28日

トランプ氏が世界貿易を破壊する-世界経済は大恐慌直後の1930年代に戻ることになるかもしれない- 2016年11月30日

アメリカ抜きのTPPを実現しよう 2016年12月1日 ←今、ここ

日本の期待に応えなかったアメリカを「愚か者」呼ばわりし、暗に脅しています。

トランプ氏が二国間交渉をしようとしてもTPPが不成立となれば、TPP加盟国のどの国もアメリカと再交渉も二国間の通商交渉にも応じようとしないだろう。

アメリカはアジア太平洋地域にリバランスをしようとしてアジア太平洋地域を失ったのである。

アメリカ抜きの新TPP協定を結ぶのである。

EUから離脱したイギリスに声をかけるのもよい。

いずれアジア太平洋の孤児となったアメリカが、新TPP協定への加入申請をするかもしれない。

この場合、新規加入申請国はすでに加盟している国に要求はできない。

既加盟国の要求を飲まされるだけの交渉となる。

豪州は新薬のデータ保護期間を5年とするようアメリカに要求するだろうし、自動車の関税撤廃に25年も要するという合意をTPP交渉で飲まされた我が国は自動車関税の即時撤廃を要求すればよい。

アメリカにとってこれまで経験したことのないみじめな交渉となる。

そのときアメリカはやっと自らの愚かさに気づくに違いない。

延々と都合の良い願望が語られていますが、他のTPP加盟国がアメリカとの二国間交渉に応じたらどうするのでしょう?

TPPは決して漂流しないと断定していた人が、徐々に変化していき、最後にはアメリカ抜きのTPPを実現しようと反対意見に変わったところで笑ってしまいました。

・・思いっきり漂流してるじゃん

アメリカ次第でコロコロと政策が変化していくさまを見ますと、如何に主体性のない国家であり、アメリカへの過度な依存心によって成り立っている国か分かります。

トランプ氏は中国に一律45%の関税をかけると言っているが、WTOに加盟している限り、それはできない。

WTO参加国は品目別にこれ以上は上げないという関税を約束している。

WTOの最恵国待遇の原則に反するため、本気でそれをする気ならばアメリカはWTOからも脱退しなければならず、大統領の一存でそれができる国であるから、

世界経済は、大恐慌直後の1930年アメリカがスム―ト・ホーレイ法を制定して関税を大幅に引き上げ、経済をさらに悪化させた時代に戻ることになるかもしれない。

と言っています。

怒りの感情から脅しに変わり、期待を裏切られた悲しみと混乱があるようです。

日本一国では、今の中国には勝てませんからね。

トランプ氏は「アメリカ・ファースト(アメリカ第一主義)」を掲げた大統領であり、ビジネスマンらしく利益にならないことはしません。

エアフォースワンの受注も高すぎると言って断っています。

純然と利益のみを見ますと、もともとTPPはアメリカの利益にはならない。

今年の5月18日、米国際貿易委員会(USITC)が、TPPがアメリカにもたらす影響についての調査報告書を議会に提出しています。

これですね。

米国際貿易委員会がTPPの米国への影響に関する報告書を提出

TPPの効果としてはポジティブなものではあるが、アメリカ経済全体の規模から言えば、その影響は小さい。

この影響分析では、まずTPPがないとした場合の予測値をベースラインとしてとり、それとの比較で15年後の2032年時点での様々な影響が分析されています。

その結論としてはTPPのもたらす効果はポジティブなものであるとしつつも、その効果は米国経済全体の規模からみて小さいものにとどまるとしています。

具体的には、2032年までに米国の年間実質所得は基準となる予測値に比べ573億ドル(0.23%)増え、また国内総生産は実質で427億ドル(0.15%)押し上げられ、雇用(正規雇用に換算)も128,000創出され、0.07%の拡大が見込まれるとしています。

2032年時点でGDPはわずか「0.15%」しか押し上げられず、雇用も「0.07%」しか拡大しない。

TPPのアメリカ経済に対する影響など微々たるものであることが報告されています。

アメリカに対する影響はこうですが、逆に中国に対する影響も試算しています。

先月の11月16日、米中経済・安全保障検討委員会の年次報告書が公表されています。

米中経済・安全保障検討委員会 年次報告書

24ページです。

この表はTPPとRCEP(アールセップ・東アジア地域包括的経済連携)が中国経済にもたらす影響を試算しています。

TPPとRCEPが両方とも発効された場合、中国には「720億ドル」の経済効果がある。

TPPが発効せず、RCEP(アールセップ)のみ発効された場合、中国には「880億ドル」の経済効果があり、RCEPが発効せず、TPPのみが発効した場合、中国は「220億ドル」の損失を被る。

中国に損害を与えたいならば、この表から見て選択肢は一つしかない。

RCEPが発効せず、TPPが発効する場合にのみ中国に損害を与えることができる。

日本はこの唯一の選択肢を取っていたわけですが、トランプ氏が、この唯一の道を壊したわけです。

アメリカが抜けますと、TPPはまさに骨抜きとなります。

以前のTPP加盟国の世界全体に占めるGDPは「37%」でした。

このうち「24%」をアメリカが占め、日本は「6%」です。

アメリカがTPPから抜けますとTPP加盟国の総GDPは、世界全体の「13%」に低下します。

10兆ドル」規模に低下するわけです。

対するRCEP(アールセップ)加盟国の総GDPは、2015年時点で「22兆4000億ドル」であり、TPPの2倍以上の規模となります。

世界全体のGDP73.5兆ドルの「30.5%」を占めます。

アメリカが抜けることによってTPPがRCEPと比較して、いかに魅力がなく、競争力もない協定か分かります。

「24%」のアメリカと「6%」の日本では、4倍の差があり、到底日本はアメリカの代わりはできそうにありません。

地域も影響力も、アジア太平洋地域で非常に限定的な協定になります。

事実、TPP加盟国のペルーが、いち早くRCEP加盟への協議を中国と開始しました。

様子見のマレーシアやオーストラリア、シンガポールやベトナムもRCEPに流れそうです。

発効に向けた各国の動き NHK

日米を抜いた10ヵ国中、TPPに積極的な国は、メキシコとニュージーランドぐらいです。

影響圏や規模から見て、いずれTPP加盟国は割れてくるのではないでしょうか?

TPP絶望的、注目集めるアジア太平洋地域の新たな経済連携「RCEP」、日中が主導権争い? レコード・チャイナ

肝心のTPP発効が困難となり、中国を含むRCEPの実現を望む声がASEAN加盟国などから一層強まるのは必至だ。

TPP参加国のペルーはRCEPに参加するための協議を中国といち早く始めたことを明らかにしたほか、ニュージーランドのキー首相は「(米離脱時の)空いた場所は中国が埋める」と発言。

シンガポールのリー首相も「アジア貿易圏の構築に中国が関与するのは適当だ」と述べた。

米国が抜けるとTPPの経済規模は、世界のGDPの36%から14%へ大幅に縮小。

TPPの存在意義は薄れ、世界2位の経済大国である中国が加わるRCEPの魅力が一層高まる。

アメリカが抜けた場合、RCEPに叶いそうにありません。

アジア太平洋地域の通商協定は現時点では、中国が主導していく流れになりそうです。

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