冴えないアメリカの経済指標

日銀の「営業毎旬報告」が出ました。

営業毎旬報告(平成27年10月31日現在)日銀

日銀は10月31日現在、総資産は「373兆5537億2981万5千円」、国債は「317兆0606億1227万7千円」保有し、過去最高を更新しました。

前回の310兆円から一挙に7兆円も国債が増加しています。

増えるばかりで減らない国債ですが、来年の今頃は国債保有400兆円を突破している計算になります。

とっくにルビコン川を渡ってしまったようですね。

出口は存在しないでしょう。

10月のマネタリーベース(資金供給量)も出ましたが、9月の「338兆4353億円」から10月は「344兆4225億円」に増加し、ひと月で約「6兆円」増えています。

マネタリーベース 10月 日銀

7-9月期の第三四半期のGDPも二期連続のマイナス成長の予測が、民間の金融機関や調査会社では増えています。

7~9月GDP 多くが2期連続マイナスを予測 NHK

今月の16日に発表される第三四半期のGDP成長率は、民間会社12社の予測では、このうち9社がマイナス成長を予測し、全体の4分の3にまで及んでいると報じられています。

可能性としては「テクニカル・リセッション(二期連続マイナス成長)」の確率が高そうです。

他の指標を見ても高いのは株価と国債だけであり、官製相場でコントロールされている指数だけです。

株価は郵政の上場関連で上がっておりますが、バルチック海運指数は、ついに700ポイントを割り、「680ポイント」まで低下しています。

世界経済の暗雲を予告しているようです。

アメリカも9月に利上げを見送りましたけれども、通常は緩和継続期待から株価は上昇するのですが、今回は違いました。

市場は利上げしたくてもできないと捉えたようで、それだけアメリカ経済は悪いと取ったようです。

アメリカ商務省が10月30日に発表した9月の個人消費支出(PCE、季節調整済み)も予想の「0.2%増」を下回り、「0.1%」を記録しました。

米個人消費支出 PCE

7月の「0.3%」、8月の「0.4%」から低下しています。

個人所得も「0.1%増」と、市場予測「0.2%程度の増加」を下回っています。

ミシガン大学消費者信頼感指数も10月は「90.0」であり、速報値の「92.1」を下回っています。

ソース

米ISM製造業景況指数(PMI)も10月は沈滞しています。

ソース

ご覧の通りPMIは「50.1%」であり、4か月連続で低下しています。

業況の拡大と縮小の分かれ目である「50ポイント」をかろうじて上回っています。

全体的にパッとしない統計数字ですが、アメリカは今年7月からGDPの計算方法を変更し、新基準に移行しています。

日本は来年の2016年から新基準に移行し、研究開発費を加算するために名目GDPは3.1%~3.4%押し上げられます。

アメリカの場合、研究開発費をGDPに加算しますと「最大2.8%」、GDPが増加するはずなのです。

にも拘らず7-9月期のGDP成長率は、速報値ですが年率換算で「1.5%増」と低調でした。

UPDATE 2-第3四半期の米GDP速報値1.5%増、在庫減少響く 内需堅調 ロイター

前期の4-6月期の第二四半期の成長率「3.9%増」から大きく減速しています。

ただ今回のは、あくまで速報値ですから修正される可能性もあります。

速報値(10月)、改定値(11月)、確定値(12月)と順に発表されますので確定値が出るまで、どういった数字になるかは分かりません。

ただFEDの当局者はGDP成長率「2%以上」が利上げの前提条件と述べておりますので、「1.5%増」というのは、この数字に届いていないことになります。

果たして12月に利上げができるかどうかと言えば、微妙な数字ばかりが並んでいます。

利上げの判断は、最後まで分からないのかもしれません。

ただ利上げが思い切ってできると言えるほど強い統計数字が出ていないことも事実であり、12月も見送られるかもしれません。

世界経済の減速もかなり鮮明になってきておりますし、バルチック海運指数を見ましても下落基調です。

原油価格もバレル50ドルを上値として上がったり、下がったりを繰り返しています。

出光興産のみならず、JXホールディングスも原油価格の下落で赤字転落です。

JX、出光が赤字転落=原油安で巨額の評価損—9月中間 WSJ

石油元売り最大手のJXホールディングスが4日発表した2015年9月中間連結決算は、純損益が449億4500万円の赤字(前年同期は176億5900万円の黒字)となった。

経営統合で10年4月に発足して以来、中間期で初の赤字。

原油価格は、今春に一時持ち直したものの、中国経済の減速を受けて6月以降大きく下落。

9月中間期の平均は1バレル当たり57ドルと、前年同期(同105ドル)のほぼ半値に落ち込んだ。

購入時より価格が下がったことで備蓄原油に巨額の評価損が生じたほか、海外での石油開発事業でも減損損失が生じた。

出光興産も同日、15年9月中間連結純損益が65億7100万円の赤字(前年同期は187億8000万円の黒字)になったと発表した。

384億円の在庫評価損により、06年10月の上場以来、中間期初の赤字に陥った。

「フォーチュン・グローバル500」においてJXホールディングスは「92位」の企業であり、出光興産は「307位」の企業です。

日本が世界に誇る企業が、原油価格の下落で赤字転落しています。

原油価格の下落が続けば、54社あった「フォーチュン・グローバル500」から消えていく日本企業が、今年も増えそうな勢いです。

アメリカが利上げできない理由を世界経済の減速のせいにするならば、利上げはできそうにありません。

世界の警察官を止めたアメリカが、なお南シナ海にちょっかいを出すというのも、お家事情でできないのではないか。

日本は南シナ海の紛争を歓迎するかもしれませんが、台所事情を見ますと、とてもできる状況とは思えません。

南シナ海で米中が本気でぶつかりますと、アメリカは利上げどころの話ではなくなるのです。

経済を基準にするならば、南シナ海の紛争はできるはずはなく、すれば世界経済に大打撃となり、利上げどころの話ではなく、先進国の各中央銀行は軒並み対処できない事態に追い込まれます。

特にアメリカが考えてるオフショア・コントロールは中国に壊滅的な打撃を与えて破壊していくといった戦略ではなく、経済的消耗戦で中国の覇権主義を思いとどまらせると言った戦略ですから、紛争による景気回復はありません。とても南シナ海の紛争を計画できる余裕が、今のアメリカにあるとは思えません。

戦争ができるうちは、まだ神の言うことは聞かず、戦争そのものができなくなった時、その時初めて神の言うことを聞くようになるといった予言もありますから、そういった方向性に世界は誘導されているのかもしれません。

11月と12月のアメリカの雇用統計がどうなるかで大体、利上げの判断は決まってくるのではないか。

ただ今までのところ、統計数字だけを見る限り、利上げができる数字とは思えないのも事実です。

セレンテ氏が言うように、アメリカはもう利上げができなくなっているのかもしれません。

次の金融危機が起こりますと、最後の危機となって、世界経済は致命傷を被るかもしれない。

全く恐ろしいことです。

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